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「はじめにリズムありき」

ベルリン・フィルの初代指揮者、ハンス・フォン・ビューローの名言なんだそうで。
(小説からの抜粋なので聴いたことはないんですが)

しかしこれには自分も勝手ながら共感をおぼえます。
よく「メロディーが肝心だ」、「ハーモニーこそが大事」という類の言葉を
耳にするんですが、
これがどうにも自分にはしっくりこない。

自分の感覚ではメロディーやハーモニーは何かシャボン玉のような、
フワフワとしたとらえどころのないもので、
リズムという楔を打込んで初めて実体化する、
そんな印象があるんですな。

そもそもベースから楽器を本格的にスタートさせたので、
やはり「リズム」に重きを置きがちなところは少なからずあるようです。
それがいいか悪いかは別にして。

しかし最近カオシレーターを使っていて思うのが、
「打込まないと、本当にプリセットのリズムには面白いものが少ないなぁ」
ということ。

いや、実際には複数のリズムを組み合わせて生じる「ポリリズム」(パフュームですな)を
使えば、なるほど面白いものにはなる。

しかしそれは相対的に
どうにもリズムの音圧がでかくなる訳で。

リズムの音量や音数は極少なく、
しかし面白いリズム、となるとやはり打込む以外にはなかったりする。

まず大体においてリズムマシンやシンセにおいて
いつも不満に思うのが、
「シャッフルや3拍子のプリセットが異様に少ない」ということだ。

黒人音楽に端を発する類の音楽をやるにあたっては、
「スイング感」なんかはとても重要だと思う。
(なかにはレゲエみたいなのもあるんだけど、あれも真逆な感じでスイングして聞こえるし)

しかしどうもリズムがスクエアな感じがするのだ。

例えばスライ & ザ・ファミリーストーンのように
非常に淡泊な8ビートに薄くいろんなリズムを重ねていくことで
構成される音楽はあるのだが、
これはやはり前述の「ポリリズム」なのであって、
隙間を活かしたリズムはなかなか作りにくかったりする。

日本古来の小唄や長唄には、ウキウキするような「スイング感」がある。
しかし最近の音楽って本当に上物の派手さばかりが目立って聞こえてくるのだ。

祭りやお囃子のリズムに乗せて、今様な音楽は絶対やれると思うのだが。
それこそニューオリンズ・ファンクのような独特のなまり、みたいなアクセントのリズムに乗せて。

リズムを構成する「音」そのものはいかにも今の機材のものなのだが、
リズムそのものはそういったなまりのようなアクセントに満ちあふれた音楽、
そんなものに取り組んでいきたいと思っている今日この頃でありました。
by domino6996 | 2012-05-26 11:02 | 風の覚え書き
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